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虎ノ門ヒルズ ― 東京都施行第二種再開発の落日
【東京都港区環状二号線虎ノ門】この6月11日、東京都新橋駅近くで「虎ノ門ヒルズ」が大々的にオープンした。52階建ての超高層でビル内には、国際会議場をはじめ賃貸マンションは
月260万円の超豪華仕様だという。テレビなどではデベロッパーの森ビルが主導し森ビルの力を世界に示したがごとく報じられていた。
じつは、この虎ノ門ヒルズは、東京都施行第二種市街地再開発事業の所産で、東京都が虎ノ門ヒルズ部分を「民間丸投げ」、8㏊の施行地区のシンボルとなる棟を森ビルが特定建築者となって竣工させた。
東京都の第二種再開発は、かつては防災や住環境向上、地域産業活性化などを目的に行われてきた。荒川区内の白鬚(しらひげ)西地区48.7㏊の事業では、4500戸の住宅計画のうち4分の1にあたるおよそ1175戸の公営住宅を実現し、借家層住民の生活再建にかなり努力したことで知られる(「区画・再開発通信」13年11月号)。この虎ノ門ヒルズをみるにつけ、この10年、再開発事業が大きな変ぼうを遂げてしまったことに驚く。大手企業の金儲けの道具に成り下がったのである。
(編集部) (「区画・再開発通信」編集部、7月号から)
2014年8月11日更新
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