今月のphoto

路上に停まった介護の入浴サービス車へ移動するお母さん。

●区画整理―「街の近代化」と住民の暮らし
 
 事業開始から20年近くの歳月を経て1996年3月、東京都施行西瑞江駅付近(28.9ha)区画整理が終わった。江戸川区内であったが、蓮の田などが残る田畑にミニ開発が進行した農住混在地域の事業である。都営新宿線なる地下鉄の新駅の駅前広場整備、幹線道路整備などと一体のものとして4地区に及ぶ大規模な区画整理が行われ、同地区もその一つ。
 大きな住民運動のもと、「ノー減歩ノー清算」「再築による直接移転」、仮換地段階での情報公開など、数々の成果があった。しかし「まち」は良くなったか。「街」と「住民の暮らし」はどう変ぼうを遂げたか。
 同地区を訪れると、妙に圧迫感にとらわれる。一階はみんな車庫にして、人々は二階、三階に住んでいるのだ。上の写真は堀達雄さん(当時、同地区の住民運動のリーダーのお一人で、いま当連絡会議代表世話人)がご自分でお母さんの介護を撮ったもの。入浴サービスを受けるにも階段をシーツでつり降ろされて入浴サービスのクルマにたどりつかなければならない。お年寄りにとっては並みの苦労ではない。

事業中の西瑞江駅付近地区(1989年)

 「街」はきれいになったのも事実だ。しかし移 転時期からも二十数年、みんな高齢化してきた今日、「住民の暮ら し」の変ぼうからみると、「街」はどう評価されるのだろうか。同地区ではいろいろな事業改善がなされたが、なお何が足りなかったのだろうか。(P)





                         2010年9月20日掲載
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