めざせ! 住民主権のまちづくり
NPO・特定非営利活動法人 区画整理・再開発対策全国連絡会議
Copyright c 無断転載はお断りします。 E-mail info@kukaku.org
今月のphoto
元旦、千葉県柏市中原防災公園は人びとの笑顔で埋まっていた。ラジオ体操し、コーラスできれいな声を鍛え、初日の出をそれぞれみんなが見ようとしていた。 |
●旧年中のご厚情に感謝いたします。本年もよろしくお願いいたします。
新年にあたり「明日へ希望をつなぐ」思いを込めて、昨年の会報「区画・再開発通信」3月号巻頭言でお話しいただいた千葉県柏市斉藤牧場跡地にできた「中原ふれあい防災公園」といま保全活動の対象となっているその隣の林を紹介いたします。
柏市は上野からJR常磐線で30分ほどのところにある人口40万の郊外都市です。1970年代から90年代にかけて人口が三倍となった都市で、90年代当時、新たに移り住んできた市民の関心は、毎日、毎日切り倒されゆく林、つぶされていく農地、そういう中で緑を少しでも残せないかということでした。
柏市南部にある中原の住宅市街地のド真ん中、ぽっかり空いている5haほどの斉藤牧場も近く廃業するらしいという噂に、危機感をもった市民が「斉藤牧場の緑と環境を考える会」(現在、NPO法人牧場跡地に緑と環境を考える会)を立ち上げたのは1992年でした。以来、牧場跡地5haを緑の公有地にしていただきたいと運動を展開。10年におよぶねばりづよい活動で、地主の斉藤さん、柏市、市民運動などそれぞれの努力で、ここが柏市によって「防災公園街区整備事業」(都市再生機構の事業)に位置づけられ、柏市「中原ふれあい防災公園」と姿を変えることになりました。
いまはその公園と一体の景観を構成している隣の林およそ0.5haも併せて残していただきたいと、「中原防災公園隣接林保全基金」が立ち上げられ活動をしています。昨年までに数千人にもおよぶ市民からご寄付をいただき、柏市にその買い取りの願いを込めて1000万円余を届けてきました。二人の歴代柏市の市長もこうした市民運動の願い、熱意、活動には共感していただき、市長の筆で「広報かしわ」(柏市広報)に紹介されるまでにもなっています。
道のりは未だ半ばのようですが、みんなの願いを輪につなげ、形にし、「市民の公共性」へと表現することで、新たなまちづくり運動展開の芽を育てているかのようです。(P)
2011年1月5日掲載